ご覧いただきありがとうございます。
「ツカコッコー」です。
先日、私の知人が59歳の若さで
咽頭がんで亡くなりました。
その方は、スポーツマンで筋肉トレーニングや
メンタルトレーニングなども
専門にやってらっしゃいました。
しかし、筋肉は鍛えることが出来ても、
細胞レベルまでは鍛えることは出来ず、
がん細胞にうち負けました。
そんな、彼を悼みこの記事を綴りました。
「咽頭がん」という疾患に関して
喉にできるがんという漠然とした
知識を持っている方は多いことと思います。
しかし、この咽頭がんは、
生じる場所によって
「上咽頭がん」「中咽頭がん」「小咽頭がん」の
3種類に分類することができ、
そのそれぞれで症状や治療法などは異なります。
そのため、もしも咽頭がんと診断されたら
それが具体的にどの種類の咽頭がんなのかを
認識しそれに応じた知識を得る必要があります。
ここでは上述した3種類の咽頭がんの症状や
治療法、引き起こす要因などについて解説します。
咽頭がんの特徴
「咽頭」とは、具体的にいうと鼻の奥から
食道にいたるまでの食べ物や空気が通る部分のことを指します。
この部分は縦に長いことから3分割したそれぞれの
部位に名称がつけられており、それらを上から
「上咽頭」「中咽頭」「下咽頭」と呼びます。
ここでは最初に、これらそれぞれの部分に
生じるがんの特徴について解説します。
上咽頭がん
上咽頭とは、咽頭のうち最も上部に位置する鼻腔の
奥や口の奥にある扁桃の上部のことを指します。
この部分に生じるがんのことを「上咽頭がん」
と呼び、具体的にはこの部分に
悪性腫瘍が発生することを意味します。
上咽頭がんでは鼻に関連する症状が
表れることが多いですが、
この部分は耳にも通じているため
同様に耳に関連する症状も表れやすくなります。
また、上咽頭に発生する疾患としては
咽頭扁桃という組織が増殖することによって
発症するアデノイドも挙げることができ、
その症状の中には上咽頭がんの症状に
似たものも存在しますが、
アデノイドは腫瘍性の疾患ではないため
上咽頭がんとは異なります。
そのため、鼻や耳に異常が生じ始めたからといって
すぐに上咽頭がんだと決めつけるべきではありません。
中咽頭がん
3分割した咽頭のうち真ん中に位置する部分を
「中咽頭」と呼びます。
この部分には口を大きく開けたときに見える
喉の奥全体が該当し、具体的には俗にいう
「のどちんこ」の付け根の部分を指す
「軟口蓋」、さらにその奥にある
「後壁」、その横の部分にある
「扁桃」、舌の付け根の部分を指す
「舌根」の4種類の部位をまとめて中咽頭と呼びます。
この中咽頭に発生するがんのことを
「中咽頭がん」と呼び、これは粘膜上皮から発生する
「扁平上皮がん」や「悪性リンパ腫」、
粘膜下にある附属せんから発生する
「腺がん」に分類することができます。
また、このうち中咽頭がんは
扁平上皮がんに該当するものが
特に多いという特徴もあります。
下咽頭がん
3分割した咽頭の最も下に位置し、
食道へとつながる部分を「下咽頭」と呼びます。
下咽頭は喉仏の位置にある喉頭と隣接しており、
がんが生じる場所によっては喉頭がんと
下咽頭がんのどちらに該当するのか判断が難しい場合もあります。
また、下咽頭がんは食道に直結していることから、
下咽頭がんであることが発覚したときに
食道がんも見つかるというケースもあります。
このようなケースでは「転移」という言葉は使わず
「重複がん」という呼び方をされ、
各々に合った治療法が模索されます。
咽頭がんの主な症状と進行
咽頭がんの症状は、進行状況だけでなく、
上述した3種類のがんのどれに
該当するのかによっても異なります。
続いては咽頭がんの種類別の症状について解説します。
上咽頭がん
上咽頭は鼻と耳に近いことから、
その症状もこれらの部位に表れやすくなります。
そのため、鼻づまりや鼻血、
難聴や耳のつまったような
感覚は上咽頭がんの代表的な症状となります。
また、上咽頭がんは首のリンパ節に移転しやすいという特徴もあるため、
この部分のリンパ節の腫れも症状として表れやすく、
さらに進行すると別の部分のリンパ節にも同様の症状が表れることがあります。
これらに加え上咽頭がんでは脳神経にかかわる症状も表れやすくなります。
脳神経にはさまざまな種類のものが存在しますが、
例えば目につながる脳神経が上咽頭がんによって
圧迫されるとものが見えづらくなるなどの症状も表れます。
中咽頭がん
中咽頭は飲み込んだ食べ物が最初に通る場所でもあります。
そのため、この部分にがんが生じると
飲み込むときの違和感や痛みなどの症状が表れます。
これらの症状は中咽頭がんの初期の段階から生じることが多く、
このような症状が表れたらすぐに専門医に受診する必要があります。
中咽頭がんがさらに進行すると
違和感や痛みはさらに強くなり、
それと同時に出血や開口障害などの症状も表れます。
また、がんが生じている箇所によっては呼吸困難に陥ることもあります。
さらに中咽頭がんが進行すると、
今度は頸のリンパ節を皮切りに各部位への転移が始まります。
この段階になると、喉やその周辺以外でも
強い痛みや腫れなどの症状が表れるようになります。
下咽頭がん
下咽頭は食道に通じる部分であることから、
この部位にがんが生じると食べ物を飲み込んだ際の
違和感や痛みなどの症状が表れます。
また、潰瘍型の腫瘍ができていて
この部位にできている場合、
食べ物を飲み込まなくても非常に強い痛みを伴うことがあります。
一方、下咽頭がんでは耳の奥の方に
強い痛みが生じることもあります。
これは下咽頭と耳を結ぶ神経回路があるためであり、
下咽頭の近くにある喉頭にがんが生じた場合も
同じような症状が表れることがあります。
同様に比較的初期の段階では下咽頭に生じたがんが
喉頭に浸潤することで声枯れが生じることもあります。
よって、風邪を引いたわけでもないのに
長期間にわたって声がかれる場合も下咽頭がんを疑い、
できるだけ早く専門医に診てもらうことをおすすめします。
また、下咽頭がんの場合もある程度進行すると、
頸のリンパ節をはじめとした下咽頭に近い部位へ転移が始まります。
特に頸部リンパ節へ転移するケースは多く、
初診時で、既に転移してしまっているケースは
全体の約6割にもおよびます。