こんにちは

「ツカコッコー」です。

 

 

 

食事はできるの?食道ガン手術後の栄養の摂り方とは

 

食道ガンは食事に大きく影響する部位に発生するため

食道がんの治療後はそれまでと同じように

食事ができるようになるのか

食事がとれなくなってしまったらどうするのか

といった治療後の食事について多くの

不安や悩みが出てきます。

 

 

食道ガンではどのような治療法が選択できるのか

どのように治していけば良いのか

治療が終わったあとはどんなことと

向き合って行かなければならないのか

といった治療方法から治療後の注意点を説明します。

 

 

食道ガンの治療方法とは

 

 

食道ガンの治療はガンのステージや

発生した部位や患者さんの希望や

他の病気の有無といった全体的な

状態などを総合的に判断しながら

治療方針や治療方法を決定していきます。

 

 

治療方法には大きく分けて内視鏡治療、放射線治療

手術、薬物療法(化学療法)の4つが挙げられます。

患者さんの状態によってそれぞれの治療方法を単独

もしくは組み合わせて治療を進めていきます。

 

 

・内視鏡治療

粘膜内にとどまっている食道ガンを

食道内視鏡で食道の内側から切除する治療法で

多くは内視鏡治療はリンパ節転移が

認められないステージ0の

早期ガンに適応されます。

 

 

粘膜下層へ生理食塩水や

ヒアルロン酸ナトリウムなどを注入して

病変部分を浮き上がらせた後

高周波電流を用いて切除します。

 

 

内視鏡的粘膜切除術(EMR)と

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の切除方法があり

いずれも基本的に全身麻酔の必要はなく

比較的体への負担が少ない治療といえます。

また、摘出後の検査でリンパ節転移の可能性が

高い場合はその他の方法を

追加して治療を続けることになります。

 

 

・手術

ステージ1~ステージ3の

食道ガンの治療として用いられます。

ガンが粘膜下層に達している。

または外膜や周辺組織まで広範囲に広がっている。

あるいはリンパ節転移がある。

といった段階が認められるといったケースでは

標準の治療法として手術での治療が選択されます。

 

 

どの部分にガンが発生しているかによって

切除する部分が異なりますが

基本的にはガンを含めた食道および胃の一部

リンパ節を含む周辺組織などを切除します。

 

 

食道を切除した後、食道の代わりとなる

場所を作る再建術(バイパス手術)が行われます。

バイパス手術では胃や腸の一部が使われます。

一般的な再建手術では胃を円筒状に形成して

持ち上げ頸部に残った食道とつなぎます。

また、標準治療として手術前には

ガンを小さくするための

薬物療法(抗がん剤治療)を組み合わせて行われます。

 

 

・放射線治療

ステージ2・3において体の状態から見て

手術を受けることが困難な患者さんや

患者さん本人が手術を希望しない

場合には放射線治療が選択されます。

 

 

手術と違って食道、胃、声帯の機能を

温存できるため治療後の生活への

影響を少なくすることができます。

放射線治療はX線、Γ(ガンマ)線

重粒子線、電子線などの放射線を

ガンに照射してガンを小さくしたり

ガン細胞を消滅させたりする目的で行われます。

 

 

同時に化学療法を取り入れることで

より高い効果が期待できます。

また、放射線治療ではまずはガンの消滅を目指す

根治照射が取り入れられますが

痛みや食道の狭窄、周辺臓器への

圧迫などの症状を和らげるために

緩和照射が行われる場合もあります。

 

 

・薬物療法(化学療法)

薬物療法抗がん剤を投与する治療です。

ステージ1~3や4の一部に対して行う

根治的科学放射線療法

ステージ2~3の術前・術後に行う化学療法

ステージ4に対して行う化学療法などがあります。

 

 

ガンを小さくする作用を持つ

細胞障害性抗がん剤を投与して

全身に作用させガンの増殖や

成長を抑制し転移や再発を防ぎます。

抗がん剤は点滴によって投与し

主にフルオロウラシル(5-FU)

ネダプラチン、シスプラチン

ドセタキセル、パクリタキセルが使われます。

 

 

食道ガンの治療を行った後に起こる問題点とは

 

 

食道ガンの治療の中でも切除手術は

体に及ぼす物理的な負担が非常に大きいため

治療後もさまざまな後遺障害が起こることが予測されます。

そのため患者さん本人はもちろんそれを支える家族や

周囲の人たちも手術後に起こる後遺症について

知識を持っておきパニックにならずに

対応できるような態勢や

心の準備をしておくことが必要になります。

 

 

食道ガンの手術では食道や胃の一部などを切除するため

その後に食べ物が通るルートを

新たに作る再建術が行われますが

再建手術後に飲食に関する様々な

問題が起こる可能性があります。

 

 

・食道の通り道が変わり食事量が減ってしまう

手術をした後は胃や腸を食道の代わりとして使われます。

食事の通るルートが変わってしまうため

しばらくの間は取れる食事の量が減少します。

このことから、必要十分な栄養が

取れなくなり栄養不足に陥る可能性があります。

あまりにも栄養状態が悪い場合は

点滴による栄養補充などの

対応策が取られることもあります。

 

 

・飲み込む力が弱まる

治療後は食道や胃の機能が弱まるため

嚥下力(飲み込む力)が弱くなってしまい

食物を飲み込んだときにむせてしまうことが多くなります。

しばらくは治療前と同じ食事を取れないと考えて

1日数回に分けて少量ずつ食べやすいものを

食べるなど食事の形態にも工夫することが必要になります。

 

 

・誤嚥による肺炎の確率も上がる

嚥下力が弱くなることから

食べ物や唾液などが気管に入ってしまう

誤嚥が起こりやすくなります。

 

 

通常であれば誤嚥があってもむせて

排出することができるのですが

食道ガンの手術のあとは

この反射機能が鈍ってしまい

痛みのせいでうまく吐き出す

ことができなくなります。

 

 

気管から排出されなかった食物や

唾液が肺に入り込むと

「誤嚥性肺炎」が

引き起される可能性が高くなります。

 

 

・食事がつかえてしまう

再建術の際につなげた食道と胃や腸との

つなぎ目から食物や消化液が漏れたり

または放射線治療や内視鏡の影響などによって

食べ物が通る部分が狭くなったなどの

理由から食事がつかえやすくなります。

 

 

食道ガンの手術後は食事を中断して様子を見たり

つかえが治まったら少量ずつゆっくりと

時間をかけて食べるようにして下さい。

また、場合によっては

再手術をおこなうこともあります。

 

 

・胃酸や消化液が逆流して食道炎になる場合がある

食道ガンの手術を受けた場合は

食道や胃の一部が切除されます。

食道には胃からの逆流を防ぐ役割

(逆止弁機能)を持つため

食道切除でこの機能がなくなります。

そのため、食物や胃液などが

胃から食道に逆流してしまい

逆流性食道炎を引き起こしてしまう可能性があります。

 

 

食後すぐに横になると食物や胃酸などが逆流して

むせてしまうことがあるため

食後30分は横にならないようにして

夜間の睡眠時は上半身を高めにするなどの

対策をとり就寝しましょう。

 

 

・ダンピング症候群が起きる

ダンピング症候群とは

胃にいったん食べたものを貯めて

徐々に小腸へと送り出すという

胃の働きが失われたために

食べたものが急速に小腸に

流れ込んでしまうことで起こる症状です。

 

 

食事後すぐに起こる早期ダンピング症候群と

食後2~3時間してから起こる

晩期ダンピング症候群があります。

動悸、めまい、冷や汗、顔面紅潮、全身倦怠感などの他

腹痛、下痢、嘔吐、悪心などの腹部の症状や

手の震えなども出ることもあります。

 

 

ダンピング症候群の予防としては

食事を少しずつ、ゆっくり食べること

水分を一気飲みしないことなどが大切です。

 

 

治療後の栄養の摂り方Ⅰ治療後の体に合わせたメニューで食事とは

 

 

食道ガンの治療後はものがうまく

飲み込めないという症状が出るため

飲み込むときにむせる

治療の影響で食欲が落ちる

食べ物の通り道が狭くなり

食べ物がつかえるように

なるなどの色々な影響がでます。

 

 

治療後の弱った体力を戻すために

栄養を摂らなければという気持ちに

なるかもしれませんが

食べることが辛くなってしまっては

精神的な負担が増えてしまうので

あまり焦らずにゆっくりと

少しずつ回復食を進めていきましょう。

 

 

・治療後の食事の再開

治療後に食事を再開するときは

まずゼリー状の食べ物で経口訓練をすると

その後の誤嚥性肺炎の発症率が下がるとされています。

経口摂取(口から摂り入れること)を

行ってもむせる心配がないことが

確認できたら流動食を開始します。

 

 

また、消化能力が落ちているため

またダンピング症候群を防ぐためにも

1回の量は少なめに1日、4~5回に

分けて食事を取るようにしましょう。

 

 

・調理には食べやすくなる工夫を

メニューは消化がよく胃に負担を

かけないものを考えて

煮物・蒸し物・汁物を中心にした

栄養バランスのよい献立を考えるようにしましょう。

 

 

煮物はよく煮てやわらかくし

汁物や水分の多いものは

かたくり粉やとろみ剤などで

とろみをつけると食べやすくなります。

 

 

固形のものはみじん切りで

細かくしたりミキサーにかける

裏ごしをする、すりつぶす

ペースト状にするなどして

嚥下がしやすくなるよう工夫をしてください。

 

 

・食道ガン治療後に向かない食べ物

パサパサしているものやポロポロした食べ物は

むせる原因になるので食道がん治療後の食事には向きません。

また、消化の際に胃腸に負担のかかる食物繊維は避けましょう。

狭窄がある場合は狭くなった部分に貼り付いて

喉をふさいでしまう恐れがあるので

海藻類、海苔、焼き肉や刺し身には注意が必要です。

 

 

逆に、麺類はツルツルと飲み込んで

しまいがちなので短時間で多くの量を

摂取してしまう恐れがあります。

麺類はできるだけ避けた方がいいですね。

 

 

・食べ方の工夫やリハビリテーションも

食事の際にむせてしまうのを防ぐのには

食べるときの姿勢も大切です。

上体は45~60度程度に起こして

あごを引いた姿勢で食べるようにします。

飲み込むときにあごを引くようにすると

むせにくくなりますが、飲み込みにくさには

個人差もありますので看護師さんなどに

確認しておくといいです。

 

 

誤嚥やむせることを防ぐ大切なポイントは

少しずつゆっくりと食べることです。

自宅で食事を開始する前に

嚥下リハビリテーションを

受けるのも良い方法です。

 

 

治療後の栄養の摂り方Ⅱ口以外から栄養摂取とは

 

 

食道ガンの治療後には治療の影響で

口から十分な栄養を摂れなくなって

しまう患者さんもいます。

 

 

食べ物の通り道の狭窄で詰まりやすくなったり

誤嚥が増えて肺炎を繰り返したり

飲み込むことが困難、化学療法の副作用で

食べることができないなど

様々な理由から食事が

できなくなってしまうのです。

こうした状態になった場合

口以外からの栄養摂取を考えなければなりません。

 

 

・経管栄養法とは

食べられないときの栄養補給というと

点滴を思い浮かべる方が多いと思いますが

長期的に口以外からの栄養補給が

必要になる場合は点滴よりも

体への負担が少なく安全な

「経管栄養法」という方法を取ります。

 

 

経管栄養法には経鼻胃管

胃瘻(いろう)、腸瘻(腸ろう)という

方法があり栄養を補給するための

管を挿入する経路によって呼び方が変わります。

 

 

・経鼻胃管

鼻から胃へとチューブを通し

そこから栄養剤を注入していきます。

 

 

・胃ろう、腸ろう

胃や腸に穴を開けて

そこに栄養剤や流動食を

直接送り込むための

チューブを取り付ける方法です。

 

 

胃ろうや腸ろうを作るための手術は

「PEG(ペグ)」と呼ばれ

局所麻酔と内視鏡を用いて行います。

15分~30分程度で終わる簡単な手術で

入院も短く術後4日前後で

入浴もできるようになります。

 

 

・胃ろうや腸ろうのメリット

胃ろうや腸ろうでは口からチューブを

入れるわけではないので

胃ろうや腸ろうをつけても並行して

口から食事をすることができるため

経鼻胃管や中心静脈栄養などの

経管栄養法以外の方法と比べると

体への負担が少ない栄養補給方法なのです。

 

 

もともとは十分な栄養が摂れない状態の

患者さんが体力を回復するまでの間の

一時的処置として行われていたものですが

現在ではガン患者や高齢者の

栄養補給のためにも行われています。

 

 

胃ろうや腸ろうによって十分な栄養が

摂取されて体力が取り戻されれば

口から食事を摂取できるようになる人もいますし

最終的には胃ろうが必要なくなる人も

約6%ほどいるとされています。

中には胃ろうを使いながら普通に生活をして

中にはスポーツを楽しむことができている人もいます。

 

 

・胃ろうや腸ろうのデメリット

まず安全な手術とはいえPEGにも

細菌感染などによる合併症のリスクがあります。

また、体調や病気などで免疫力が

低下したときに胃ろうや腸ろうの

周辺の皮膚がただれてしまう

あるいは栄養剤の逆流などが

起きてしまうこともあります。

 

 

他にも、胃ろうが下痢、便秘、肺炎などの

体調不良の原因になることもあります。

更に、半年に一度のカテーテル交換や

専用の栄養剤の接続や注入は看護師が

行わなければならないため

高齢者用の施設などでは

入居が難しくなるといった

デメリットもあります。

 

 

・設置には患者と家族の意思の確認が重要

胃ろうや腸ろうを取り入れる際は

患者さん本人の希望や意思を

最も尊重して決めることが重要です。

例えば、まだ若く治療後には体力の回復が

十分に見込める患者さんであれば術後の

回復を早めるための一時的な措置として

積極的に取り入れるということもあるでしょう。

 

 

実際に欧米ではこうした考え方が主流で

食道ガンなどで栄養失調になってしまう場合の

改善策として術前術後に胃ろうを利用するなど

治療の一環として考えられているといいます。

 

 

しかし高齢の患者さんではそこまで体に

負担をかけて延命したくないと胃ろうを

選ばない選択をする人も見られるのも事実です。

このように、患者さん本人と家族の意見や

主張が相容れない場合もあるため

胃ろうや腸ろうを選択するかどうかについては

本人、家族、医療スタッフを交えてしっかりとした

話し合いの場を持ち後悔しない形で決めることが大切です。

 

 

まとめ

 

 

もしも食道ガンにかかってしまっても

早期であれば内視鏡で切除することができ

食道や胃の機能を保ったまま

治療を進めることができます。

 

 

しかし手術をする場合は

食道や胃の一部を切除する必要があります。

そのため、手術後の後遺症や

食事での取り組みや胃ろうの利用など

治療中に対処しなければならない

様々な問題も発生します。

 

 

特に栄養補給の問題をどうするかは

患者さんがしっかりと自分の意思で

決定できるうちに家族で

話し合って決めておくことが重要です。

 

 

 

 

 

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